震災について 2 【16年前の阪神大震災】
16年前、阪神大震災が起きたときわたしは大学生で大阪で一人暮らしをしていました。忘れもしない寒い季節の1月でした。センター試験や大学の後期試験の頃です。
細長いヒョロヒョロのワンルームマンションの6Fに住んでいました。早朝、下から突き上げるような激しい揺れで目が覚め、関西中がひとつのシェイカーの中に入れられ、上下に振られ揺さぶられたようなとんでもない揺れでした。
思わず、死が頭の中を揺らぎました。
食器棚の食器が落ちてきて割れ、バイト代を稼いでやっとの思いで買った14型のブラウン管のテレビが頭に落ちてきました。そこには、ただの恐怖しかありませんでした。
それまでに体験したことのない地震の規模で、あまりの怖さに外に逃げ出すことも出来ず、机の下に身をくるめるのみ。
その当時、携帯電話はまだ普及し始めかけた頃でお金持ちの友人は携帯電話を持っていましたが、どちらかというとポケベルの所有率の方が高かったように覚えています。
そのためその時の唯一の連絡ツールと言えば家の固定電話のみでした。地震直後は電話はほんとんどつながらなかったけど、時間がたつにつれ色々な所から無事を心配する電話が幾度となくかかってきました。あの日ほど家の電話が鳴った日はありません。
阪神が揺れた日、わたしは39度の熱を出しインフルエンザで倒れていました。頭の上に落ちてきたテレビを元に戻す気力もなく、ラジオも持っていなかったため何一つ情報もない中何が起こったのか分かっていませんでした。
幸い友人が病院へ連れて行ってくれたのですが、そこで初めてテレビに映し出された神戸の映像に阪神大震災が起きたことを知ったのでした。崩れ落ちた高速道路、燃え上がる炎。
大阪はまだ全然マシな状況なのを知りました。
その時、神戸、兵庫の友人の無事が気になり始めましたが、今のように携帯が普及していないので連絡が取れる手段はありませんでした。